呼吸器科

長引く咳 甲府 湯村温泉病院

 [ 呼吸器科 ]

院長のの高橋です。

さて、「長引く咳」というのはいったいどのくらいの期間咳がつづくことなのでしょうか。

私が所属する日本呼吸器学会から「咳嗽に関するガイドライン」が発行されており、それに基づきますと、3週間以上続く咳を遷延性咳嗽、8週以上続く咳を慢性咳嗽と定義されております。
3週未満は急性咳嗽と定義され、ガイドライン上は「長引く」には分類されておりません。3週以内の場合、原因も普通感冒頻度が高く、改善傾向であれば通常の咳止めで観察することが勧められております。

さりながら、通常1週間も咳が続けば、体もつらいし何か特殊なことがおきているのではないか、と不安になってしまうのが道理だと思います。3週持続していないから、喘息やその他の疾患ではない、ということはいえず、1週目に受診された当初から喘息やその他の大きな病気、ということもあり得るわけです。

そこで初診時は、まず詳細な問診を含めた診察をさせていただき、必要に応じてレントゲン撮影や血液検査をおこなうこととなります。
3週未満の咳であれば、確率的には感冒に続発した咳の可能性が高いので、過剰診療にならないように気をつけてはおりますが、肺がん、肺炎、結核といったレントゲンに写る疾患は、見逃すと容易に悪化するため、レントゲン撮影をおすすめする機会が多くなる傾向はあると思います。

湯村温泉病院 甲府 呼吸器科

 [ 呼吸器科 ]

院長の高橋です。

当院は回復期および療養病床を有しており、脳梗塞や骨折、その他急性疾患の治療を他院でおこなったあとのリハビリを主な業務として病棟運営をおこなっています。
一方私自身は長年呼吸器専門医として大学や総合病院に勤務しておりましたので、呼吸器を中心として内科診療も外来でおこなっております。
今回は本ブログを通して私の外来診療のご紹介をさせていただきたいと思います。

さて、みなさん呼吸器科というとどんな病気を思い浮かべるでしょうか。専門医として総合病院に勤務していた頃は肺がんや肺炎、重度の慢性閉塞性肺疾患、その他酸素吸入が必要な呼吸不全をともなう種々の疾患の診療にあたることが多かったと思います。感染症専門医がいない場合、発熱患者はとりあえず呼吸器科、という施設もありました。

一方外来診療で一番多いのは「長引く咳」です。多くは感冒に続発するいわゆる「感染後咳嗽」なのですが、長引く場合「気管支喘息」が存在している確率があがってきます。そのほか悪性腫瘍、結核などの感染症、アレルギー性鼻炎など耳鼻科疾患、心疾患、逆流性食道炎のような消化器疾患、など咳の原因は多岐にわたっております。
今後当院においてこういった疾患に対してどのように診断、治療をおこなってゆくのかご紹介してまいりたいと思います。