湯村温泉病院 公式ブログ
気管支喘息 甲府 湯村温泉病院
[ 呼吸器科 ]
院長の高橋です。
「気管支喘息」の続きです。
前回お示しした喘息の定義を私なりにわかりやすくしてみます。
「喘息とは気道が狭くなるため、ゼーゼーしたり、咳がでたり、苦しくなったりする病気です。治療をすれば、ときには自然に元にもどります(可逆性)。気道の炎症が続いているため、過敏になっており、いろいろな刺激によって気道が狭くなるため症状が起きます。炎症には好酸球、T細胞、マスト細胞などの細胞やそれぞれが出す因子が関与しています。そういった炎症を放っておくと気道の構造変化(リモデリング)が起き、治療をしても元に戻りにくくなってしまいます。」
少しはわかりやすくなったでしょうか。
喘息にはほかの疾患と違い、診断基準というものがありません。
たとえば糖尿病でしたら空腹時血糖126以上、HbA1c6.5以上であれば糖尿病と診断されますが、喘息の場合、検査値やいくつかの症状がそろえば喘息と言い切れる、といった基準がないのです。ここが診断をやっかいにしている所以でもあります。
定義のなかで重要なkeywordとして、「可逆性」「気道過敏性」「炎症」「リモデリング」が挙げられます。次回からはこれらについてさらに詳しく記したいと思います。