湯村温泉病院 公式ブログ
長引く咳 甲府 湯村温泉病院
[ 呼吸器科 ]
院長の高橋です。
「長引く咳」の続きです。
咳の持続期間が3週未満で、年齢が若く、最初に鼻水や微熱などの感冒症状をともなっており、すでに咳のピークを越えていれば、感染後咳嗽(かぜに続発する咳)と考え、いわゆる咳止めだけで様子をみることとなります。
咳が悪くなる傾向であり、かなり激しい場合(嘔吐をともなうようなこともあり)、百日咳やマイコプラズマ、肺炎クラミジア(クラミドフィラ)感染といった特殊な感染症が鑑別に挙がります。これらの診断は一筋縄ではいかない面があり、別の機会に記載したいと思います。
来院時発熱があり、聴診上吸気時に異常音を聴取する場合、肺炎を考えレントゲンをとります。そのほか高齢者、喫煙者、癌の既往のある方、糖尿病などの持病があるかたなどは、肺炎のみならず肺癌、結核などのリスクもあるため、肺音が正常であってもレントゲン撮影をお勧めします。
さて、レントゲンで異常がなく、感染症でもなさそうな場合、必ず念頭におかなくては気管支喘息です。次回からは当院での喘息診療に関して述べさせていただきます。